広上/日フィル 横浜定期 マーラー:千人の交響曲
今年は千人の当たり年で、ベルティーニ/都響、秋山/東響そして今日の広上/日本フィル。秋山/東響の演奏は聞けませんでしたが、5月に今日と同じ会場で演奏されたベルティーニ/都響の演奏が印象に残っています。松本から横浜へ直行(^^♪し、200回を迎えた日本フィルの横浜定期を聞いてきました。
日本フィルハーモニー交響楽団 ミュージックポート ヨコハマ・シリーズ 第200回定期演奏会広上はやや遅めのテンポでがっちりとした構成感をもって曲を進めていきます。かといって鈍重な印象はなく、独特の指揮振りでメロディを立体的に歌わせて生き生きとした表現を引き出していました。日本フィルの弦のシルキーな美しさ等、オケの美点をスポイルすることなく弱音から強音まで無理のない美しい音色と充分なスケール感をうまく両立してました。奇をてらったところのなく美しく構築されたマーラーでした。
マーラー : 交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」
第1部 「来たれ、創造主たる精霊よ」 休憩 intermission 第2部 「ファウスト」より 終幕の場
ソプラノI いと罪深き女 : 菅英三子 ソプラノII 贖罪の女 : 野田ヒロ子 ソプラノIII 栄光の聖母 : 半田美和子 アルトI サマリアの女 : 森山京子 アルトII エジプトのマリア : 竹本節子 テノール マリア崇拝の博士 : 福井敬 バリトン 法悦の教父 : 谷友博 バス 瞑想の教父 : 長谷川顕
広上淳一指揮 日本フィルハーモニー交響楽団 (ゲスト・コンサートマスター:後藤龍伸) 日本フィルハーモニー協会合唱団 (合唱指揮:井崎正浩) NHK東京放送児童合唱団 (児童合唱指揮:加藤洋朗/横山琢哉)
オルガン : 長井浩美
2004年9月4日 18:00 横浜みなとみらいホール 大ホール
オケは高弦の美しい響きが印象的ですが、その高弦のアンサンブルがところどころよれてしまうのが惜しい。またトランペットの音色と精度が他よりやや落ちてしまうのが残念(バンダの金管のほうが美しかったのはやや皮肉かも)。
合唱はフォルティッシもでも無理をして汚い声を出さないところは美点なのですが、女声を中心にピッチがややぶら下がり気味でハーモニーがびしっと決まらないのが残念。トレーニング次第ではもっと上を求めることが出来るのではないかと思います。
ソリスト達は特に女声が秀逸。特に竹本の深い音色を持った声で表現されたエジプトのマリアは素晴らしかった。半田の栄光の聖母も5月のベルティーニの時よりも安定した歌唱で、美しい歌いぶりでした。男性は谷は声の深さ、長谷川はピッチの安定をより求めたい。福井はいつもながら安定した出来栄えでした。
広上にはオケと合唱にもっと万全の状態で、もう一度振って欲しいなあと思います。今日の演奏から推測すると、さらに素晴らしい世界が広がると確信していますので・・・。
Comments
日本フィルは大宮でもシリーズを持っていますので、調整して大宮と横浜で2回演奏できたら良かったのかもしれませんね。せっかくの大曲ですし。