東京室内歌劇場 インテルメッツォ Bキャスト 田島/若杉/東響
昨日の日本初演に続き、Bキャストを聞きに今日も初台へ。
東京室内歌劇場 36期 第108回定期公演昨日の釜洞&多田羅の組み合わせがはっきりとした発音を基にして楷書的な演奏だったのに対し、今日の田島&小森の組み合わせは流暢な言葉の流れを基本にした草書的な演奏といえるでしょうか。冒頭から音楽がとてもよく流れていきます。単語ではなくせりふの流れ全体で喜劇を表現するという感じでしょうか。
R.シュトラウス : インテルメッツォ (交響的間奏曲を伴う2幕の小市民喜劇)
ロベルト・シュトルヒ : 小森輝彦 クリスティーネ : 田島茂代 ルンマー男爵 : 経種廉彦 アンナ : 宮部小牧 公証人 : 立花敏弘 公証人の妻 : 森永朝子 楽長シュトロー : 高橋淳 商工業顧問官 : 石崎秀和 法律顧問官 : 多田康芳 宮廷歌手 : 平野忠彦 料理女ファニー : 村松桂子 マリー : 山咲史枝 テレーズ : 佐々木理江 レジ : 柏原奈穂 フランツ少年 : 竹内しなの
若杉弘指揮 東京交響楽団 (コンサートマスター:大谷康子)
バレエ : 東京シティ・バレエ団 (小山清佳/五十嵐妙子/小田嶋千絵/吉田郁恵/佐々木ゆず香/広瀬麗)
演出 : 鈴木敬介
2004年7月18日 15:00 新国立劇場 中劇場
クリスティーネの田島茂代は昨日の釜洞祐子と甲乙付け難い素晴らしさ。音楽に乗ったせりふの流れのよさは抜群だし、全域にわたって均質な歌声も素晴らしさは特筆していい。
ロベルト・シュトルヒはドイツ在住の小森輝彦。こちらも流暢な「しゃべり」が非常に魅力的。前日の多田羅が不調であった高い声域での声の充実と張り、せりふ的なところでのいい意味での雑味。きれいなドイツ語ではないかもしれないけど、実生活上はこんなんなんだろうなあと。昨日のクリスティーネ釜洞祐子と組み合わせたらどうなるだろう。
ルンマー男爵は経種廉彦。声質と年齢から適役だと主のですが、やや生彩を欠いてしまったか。若さゆえの表現がいまいちかんじられないのが残念。アンナの宮部小牧は昨日の若槻量子に比べるとやや落ちるもののまずまず。
今日も他の役も穴がなく、人が揃って良かったと思います。特に、シュトローの高橋淳は得難いキャラクターの持ち主だなと再認識。
若杉弘指揮する東響は、田島&小森の流れの良さにのって音楽の流れもよく、昨日気になったアンサンブルも改善。音色も溶け合ってきて、昨日よりかなり練れてきました。1幕後半での間奏曲はまぎれもないリヒャルトの世界を余すところなく表現していました。あえていうなら2幕前半のアンサンブルの精度があがるともっと良くなる筈。明日に期待したいと(そう明日も行きますよ(笑))。
Comments
http://www7a.biglobe.ne.jp/~sopshigeyotajima/html/korekara/Recital2006.html
シュトラウスも歌うそうですので、よろしければ是非・・。
私はシューマン「女の愛と生涯」、そして最近進境著しい彼女の日本歌曲の世界を楽しみにしています。
ちなみに私はきさくな彼女の大ファンです!
インテルメッツォのクリスティーネ役も素晴らしかったし、この翌年の12月のコジのデスピーナ役もとても良かった記憶があります(感想は書けていませんが^^;)。
10月のリサイタルは存じておりましたが、平日ということもあって残念ながらjosquinは九分九厘聴きに行けそうにありません。