ゲルギエフ/ロッテルダム・フィル マーラー:9番
ゲルギエフ/ロッテルダム・フィル
・マーラー:交響曲第9番ニ長調
ヴァレリー・ゲルギエフ指揮 ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団
2004年5月26日 19:30 サントリーホール 大ホール
ゲルギエフのマーラーは2年前にキーロフ管との第9、昨年11月の同じくキーロフ管との第3を聞いています。第9のほうは個人的にはあまりぴんとこなかったのだけど、第3の終楽章にはすっかりやられてしまったっけ。というわけで、いわば第9のリベンジ。
指揮者の生き様をあからさまに投影するんですねえ、マーラーって(いまさら書くのもなんですが)。いろんな困難を克服し、メンバを鼓舞し、マリインスキー劇場を盛り立てて前進してきた彼。そのイメージそのままの音楽作り、何があっても克服して前へ進むんだよと。アウフタクトの溜めや、テンポをやや緩めて浸らせてくれるなんてことはないマーラー。第1〜3楽章のいろんな意味での「荒さ」、それに対して終楽章の「入魂」。でも、「死」とか「彼岸」とかいう言葉が似合わない第9。個人的には好みではないけれども、ゲルギエフらしい演奏といえるでしょう。ゲルギエフって70歳くらいになっても、こんなマーラー演奏をするんだろうか?。
終楽章の最終音が消えた後の長い静寂も2年前と一緒。なんだか2年前をそのまま見聞きしたような感覚(演奏から受けた印象も含めて)に陥って、不思議な感じでした。
演奏開始前から補聴器のハウリング音と思われる電子音が鳴っていて、第2楽章が終わるまで対応がされなかったのは残念。演奏前(最悪でも、1楽章終了後)に充分対応可能だった筈。マネジメント&ホール側の対応の改善を望みたいと思います。
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