小川/井上/都響 プロムナード チャイコフスキー/ドヴォルザーク
東京都交響楽団 プロムナードコンサート No.310最初のルスランからミッチー節全開。骨格のがっちりとしたスケール感十分なサウンドと音楽、そして指揮棒をぐるぐる回して速いテンポで突進。かといって猪突猛進ではなく、ディックな部分も存分に歌わせる。ミッチーだけでなく、その指揮にばっちりついていったオケにも拍手。アンコール前に井上が「台風に負けないように演奏しました」というのも納得。
1. グリンカ : 歌劇「ルスランとリュドミーラ」序曲 2. チャイコフスキー : ピアノ協奏曲第1番変ロ短調作23 intermission 3. ドヴォルザーク : 交響曲第9番ホ短調作品95「新世界より」 encore 4. ドヴォルザーク : スラヴ舞曲ホ短調作品72-2
ピアノ : 小川典子(2)
井上道義指揮 東京都交響楽団 (コンサートマスター:山本友重)
2004年9月5日 14:00 サントリーホール 大ホール
続くチャイコフスキーの協奏曲は、ルスラン同様に骨格確かで存分に鳴らされたオケに、くっきりとした音の美しさと強靭な打鍵を見事に両立した小川のピアノが堂々と対峙。両者ががっぷりと四つに組んだ聴き応えのある演奏となりました。小川のピアノは叙情的な部分で旋律を自然に歌わせるコントロールも見事なもの。どこをとっても弾き飛ばすようなところはまったく感じられませんでした。先月の松本和将の演奏とは格が違いますね。井上の指揮も単なる伴奏ではなく、メロディックな弦の歌わせ方に個性を発揮しメリハリのはっきりとした演奏でした。
休憩後はドヴォルザークの新世界から。第1楽章はややゆっくり目のテンポでがっちりとした構成感を、第2楽章はやや早めのテンポながら静的にじっくりと、第3楽章から第4楽章は速めのテンポながら大騒ぎにならない落ち着いた感じをかもし出しつつ、骨太なスケール間を感じさせて、テンポを楽章ごとに上げていく全体の構成感が見事でした。第2楽章のイングリッシュ・ホルン、全体にホルンセクション(特に2,4番奏者)が好調だったことを記しておきます。
「雨の中ありがとうございます」と井上の挨拶の後に、アンコールとしてスラヴ舞曲ホ短調が演奏されました。じっくりと弦をよく歌わせた印象的な演奏でした。
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