草津国際アカデミー&フェス クロージング・コンサート
第25回草津夏季国際アカデミー&フェスティバル 室内楽とオーケストラ クロージング・コンサート今日も演奏を始める前に井坂紘さんが簡単にお話を。CDや物産の宣伝も含めてさながら広報部長のようでした。
1. メンデルスゾーン : 6つのオルガン・ソナタ作品65より オルガン・ソナタニ短調作品65-6 2. メンデルスゾーン : 弦楽八重奏曲変ホ長調作品20 (休憩) 3. シュターミツ : ヴィオラ協奏曲第1番ニ長調作品1 4. モーツァルト : 協奏交響曲変ホ長調K.Anh.9 (アンコール) 5. モーツァルト : 協奏交響曲変ホ長調K.Anh.9から 第3楽章
オルガン : クラウディオ・ブリツィ(1) ヴァイオリン : ピエール・アモイヤル(2) パヴェル・ゼイフェルト(2) イルジー・パノハ(2) 清水祐子(2) ヴィオラ : セルジュ・コロー(2&3) ミロスラフ・セフノウトカ(2) チェロ : ヴォルフガング・ベッチャー(2) ヤロスラフ・クールハン(2) オーボエ : トーマス・インデアミューレ(4) クラリネット : ヴォルフガング・マイヤー(4) ファゴット : ミラン・トルコヴィッチ(4) ホルン : ラルス・ミヒャエル・ストランスキー(4)
イェルク・エーヴァルト・デーラー指揮 草津フェスティバル・オーケストラ(2,3,4&5)
2004年8月30日 16:00 草津音楽の森国際コンサートホール
まずはメンデルスゾーンのオルガン・ソナタ。最初のうちはやや流れが悪くぎこちなさがありましたが、音楽が進むにつれてよくなっていきました。第2楽章のフーガの熱っぽさ。それに続く第3楽章のやさしい感じがとても印象的でした。
2曲目もメンデルスゾーンで弦楽八重奏曲。パノハSQのメンバと草津の教授陣との組み合わせで演奏されました。アモイヤルの積極的なリードのもと大変な熱演。しかし、パノハSQのメンバと草津のメンバのアンサンブルは緊密とはいい難いものでした。ハーモニーも濁りがちだし、ヴィオラとチェロの支えが安定しないので居心地があんまりよくない。弦楽四重奏や一人加えた五重奏くらいならそうでもないのでしょうが、八人のアンサンブルは難しいなと。パノハSQのメンバがそれぞれのパートの1番をがっちり固めた布陣の方がもしかしたら好結果がでたような気がします。
休憩後はシュターミツのヴィオラ協奏曲。古典派のヴィオラ協奏曲は非常に珍しいですね。コローのソロは残念ながら昨日のベッチャーのように衰える技術をものともせずに音楽が表出されるまでにはいたらなかったように聞こえました。フェスティバルオケは今日は常連メンバーがプルトの表を引く布陣。昨日と較べて落ち着いた響きが印象的でした。聴衆からは非常に暖かい拍手が送られていたことを付記しておきます。それだけ長年、聴衆に愛されている証拠ですね。
最後はモーツァルトの偽作の疑いのある管楽器の協奏交響曲。これは楽しめました。腕の立つ4人が揃い、緊密なアンサンブルを繰り広げていて安心して愉しめます。華やかなインデアミューレとマイヤー、それを支えつつ自己主張をするトルコヴィッチとストランスキー。ストランスキーの柔らかいウィンナホルンの音色は、他を包み込むようで印象的でした。デーラー指揮のオケは昨日のような華やかさが欲しかったような気もしますが、安定したアンサンブルでソリストたちをサポートしていました。アンコールはないと思っていましたが、第3楽章をもう一度演奏してくれました。
ホールの印象ですが舞台上の音が良く通る印象。そんなに豊かな響きではありませんが、必要充分な響きは得られいますね。オルガンや宗教曲等ではもう少し響きが欲しいきもします。
25年目のこの音楽祭、昨日今日の演奏だけを聴いていると(少なくとも演奏面では、教えるほうはもちろん別)教授陣の世代交代が必要かなあと思いました。
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