アルミリアート/読響 芸劇マチネ ロッシーニ/ヴェルディ
読売日本交響楽団 第57回東京芸術劇場マチネーシリーズ今日のプログラムはイタオペ序曲・間奏曲集といったもの。アクセントにニーノ・ロータが入っているのが目を惹きます(前述のレスピーギの演奏会でもマルトゥッチが入っていたっけ)。
1. ロッシーニ : 歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲 2. プッチーニ : 歌劇「マノンレスコー」間奏曲 3. マスカーニ : 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲 4. ロータ : 映画「山猫」 舞踏音楽 から 華麗なワルツ マズルカ コントルダンス ポルカ カドリーユ ギャロップ <休憩> 5. ロッシーニ : 歌劇「アルジェのイタリア女」序曲 6. ヴェルディ : 歌劇「シチリア島の夕べの祈り」序曲 7. ヴェルディ : 歌劇「ナブッコ」序曲 8. ヴェルディ : 歌劇「椿姫」第1幕への前奏曲 9. ヴェルディ : 歌劇「運命の力」序曲 <アンコール> 10 . マスカーニ : 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
マルコ・アルミリアート指揮 読売日本交響楽団 (コンサートマスター:藤原浜雄)
2004年6月19日 14:00 東京芸術劇場大ホール
まずはロッシーニの「床屋」序曲。ロッシーニにしてはちょっと重いかな。オケは14型で、アルミリアートの指揮もオペラよりというよりはシンフォニックな味付けが強くて、テンポも速いテンポで勢い良くかと想像していたけど意外と中庸の設定。もう少し機動力というか軽い感じが欲しい。特に、弦の刻みは重すぎる・・・。
続いてマノンレスコーとカヴァレリアの間奏曲2曲。これはアルミリアートのシンフォニックな味付けがぴったり合いますね。オケから艶のある音色(特に弦)を引き出していて美しいこと。続くロータの舞踏音楽もピアノにリズムを刻ませたオーケストレーションが面白く、愉しい限り。
後半はロッシーニの「アルジェのイタリア女」序曲から。床屋よりは良かったけど、ロッシーニとしてはやや重めの味付けで軽さが欲しい。
この後はヴェルディ三昧で、やはりこちらのほうが合いますね。椿姫の前奏曲ではそれまで良かったのに最後のヴァイオリンがやや乱れてしまったのが残念。他の序曲3曲はシンフォニックな仕上がりで、コンサートで聞くにはぴったりの味付け。オケの響きも美しく整えられているのと、響き上方へを飛ばすイメージが感じられるのが好印象。フォルテでも汚い音でなく、響きの空間が感じられるのがいい。特に、運命の力でのコラール風旋律をトロンボーンが奏するところとかとても良かった。個人的な好みからいうと、もう少し血が騒ぐ感じが欲しかったかなと。
アンコールはカヴァレリアの前奏曲をもう一度演奏してお開き。
そうそう、オーボエの蠣崎さんが随所で素晴らしいソロを聞かせておりました。トロンボーン隊とあわせて拍手です。
読響は来週アルミリアートの指揮で道化師を演奏会形式で上演します。オペラでのアルミリアートの指揮と、福井敬のカニオにも期待したいと思います。
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